時たま「私は年間○○万円の保険金を払っている。」と言うお客様がいますが、保険に関するお金の呼び方を少々間違っているようです。どうでもいいことかもしれませんが、紛らわしいので少し説明してみましょう。
「保険金額」というのは俗に保険をいくらつけるかというときの「いくら」に当たる契約金額のことで、万一事故、火災等が起きたときに、保険会社が被保険者に支払う保険金の上限額のことです。保険契約の際に取り決めますが、保険期間の途中で増額することも減額することも可能です。
また、「保険価額」という言葉もあります。これは保険をつける物の価額(評価額)をいいます。通常は時価額のことです。
では「時価額」というのはどういうことかというと、事故によって失われた保険の目的(保険契約の対象となる物、たとえば建物、家財、自動車など)と同等の物を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額(再調達価額といいます)から使用による消耗分を差し引いた金額(減価償却)のことをいいます。
「保険金」というのは万一の事故、火災等が起きたときに、ご契約に基づいて保険会社から被保険者に支払われるお金のことです。普通の商売では商品に当たるでしょうか。
これに対して「保険料」というのは、保険の契約をするに当たり契約者が保険会社に支払うお金のことです。保険金額の大小や保険の内容、条件によってその額が違います。掛け金と言った方がわかりやすいですね。
つまり、契約者は保険の契約をするに当たり保険会社(代理店を通じて)と保険価額を基準に保険金額を決めて契約し、それに見合う保険料を支払います。そして万一の際は保険会社から事故の程度に応じて保険金額を限度に被保険者に保険金が支払われることになります。