保険(損害保険でも生命保険でも)では、しばしば「保険契約者」と「被保険者」という言葉がでてきます。
わかりやすく言うと、
「保険契約者」というのは実際に保険の契約をして保険料(掛け金)を支払う人のことです。
これに対して「被保険者」というのは、事故や火災等が起きたときに契約に基づいて保険会社から保険金を受け取る権利がある人のことを言い、その人のために保険をつけているということになります。
もっとも、被保険者の死亡の時は本人が受け取ることができませんので、受取人は遺族(相続人)になりますが・・・
また通常は「保険契約者」=「被保険者」となりますが、同一人でない場合もあります。たとえば
火災保険では@貸家に住んでいる人が大家さんのために保険をつける場合、A住宅が共有名義で持ち主が複数いる場合、B会社が借り入れの関係で社長の自宅に火災保険をつけてそれに質権設定をする場合等があります。
自動車保険では@会社が社員の車を借り上げて仕事に使わせているため保険料を負担する場合、Aあまりないケースですが、子どもの車に親が保険をつける場合等です。特に自動車保険では「賠償記名被保険者」という言い方をすることがあります。
傷害保険や生命保険ではわかりやすいと思いますが、ご主人の名前で奥さんに保険をつける場合などを思ってください。なお、生命保険では申込書に「保険金受取人」という欄がありますが、これは被保険者が死亡した際に代表して保険金を受け取る人を指定しているだけで、
その人が全額を自分のものにできるわけではありません。民法では相続に関する規定があり、相続人には「遺留分」などという権利もありますから・・・